「Happy Families」

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稽古日記
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番外編
 ■ 稽古日記〜ハムステッドより愛をこめて vol.9 スタッフ編
及川 健(グラフィック・デザイン担当)

「日記?もとい、フォンテーヌと私」

 霞ヶ関から湾岸、レインボウブリッジへと続く高速道路の、灰色のペンキが塗りたくられた橋脚の北側。六本木の喧噪からやや離れて「アトリエフォンテーヌ」はあります。
 駐車場があたりを取り囲み、冷たい外観の大使館が軒を並べる一画、少し場違いな感のある劇場「アトリエフォンテーヌ」。少なくとも当時はそんな感じの劇場でした。
 スタジオライフがこの場所で公演を打つこと、私がこの「Happy Families」の宣伝美術を担当することが決まってから、私の心の一部はこの場所の情景を思い描き続けています。
 現在でも「ファーム」と呼ばれる俳優養成所が当時、目の前の高速道路を挟んだ南側にありました。そして、私が俳優を志して、まず一年間通ったスタジオがまさにその場所だったのです。
 ですからこの劇場界隈は私にとって、いろいろな思い出の詰まった場所がたくさん点在しているのです。「青春」にも似た思い出が‥‥たくさん。
 あの時代、私はYAMAHAのJogにまたがって、養成所通いをしてました。 ‥‥今が、SUZUKIのVoltyで劇団通い‥‥ 私、あまり進歩してませんね。
 そのJogを、行きは通りの左側、つまり南側の養成所へ乗り付け、帰りは必然その逆なので、劇場の目の前を通り過ぎて帰るわけです。
 そして私は、はじめそこに劇場があるとは認識していませんでした。なにしろ上記のような感じだったので。しかし、しばらく通ううちにたくさんの人が劇場前に溢れるのを目にして、その存在を知るようになったわけです。
 それからというもの、50人もお客さんが入れば満タンといった劇場にしか出演したことのなかった、駆け出しの私はその劇場に憧れを持つようになったのです。「いつかきっと、このくらいの規模の劇場に出たい」と。
 それから数年、私は「フォンテーヌ」を通り越し、もっと規模の大きな劇場にも出演できるようになりました。しかし未だに、当時思い描いたあの憧れをぬぐい去ることができません。「アトリエフォンテーヌ」は私にとってそんな甘酸っぱい想いの詰まった、特別な劇場なのです。
 その劇場でわがスタジオライフが公演をする。キャストの皆には本当によい芝居をしてもらいたいです。私も受付やスタッフとして陰ながら、エールを送りたいとおもいます。「ファイト!」


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