「Happy Families」

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[番外編]
 ■ 稽古日記〜ハムステッドより愛をこめて 番外編
倉田 淳

 いつもStudio Lifeを応援いただき有難うございます。
 番外編ということで登場させていただきました倉田です。

 「Happy Families」、ついに劇場入り致しました!

 劇団員一同集合し、朝の10:00から夜の10:00まで怒涛の一日を過ごしてまいりました。
 アトリエ・フォンテーヌは地下にあるのです。劇場空間のタッパ(舞台用語:高さのことです)があるので、とても深い地下です。地下三階に劇場の床があるという感じです。なのにエレベーターがありません。ただひたすら階段を上り下りすることで地上との行き来をします。ですから搬入(舞台用語としての使い方としては大道具、小道具、衣装、照明機材等、公演に必要な物を劇場内へ運び込むことです)が大変でした。三時間、一同、階段を下りて上っての繰り返しだったのです。
 お越しの際は、長々と続く階段に不安を感じられるかもしれませんが、とにかく下へ下へと降りてきて下さい。必ず劇場入り口はあります。こう記したくなってしまうほど深いのです。

 午後から仕込み(舞台用語:大道具、照明、音響等をセット・アップしてゆくことです)を開始し、延々・・・・10:00まで。
 そう、The Other Life は手作りがモットーの一つなのです。アランとメリックの住むハムステッドの高級メゾネットの一室も劇団員達の手作りです。釘の一本、ペンキのひと刷けにも芝居への愛がこもっているのです。
 だんだんと出来上がってゆく舞台を眺めつつ、私は至福を感じていました。でも残念なことがひとつ、今日は稽古が出来ないのです。皆、役者を返上、台本をナグリ(舞台用語:ハンマーのことです)に持ち替えての大活躍なのですから当たり前なのですけれど・・・・

 今回の芝居は一幕が70分、二幕が55分でライフの芝居としては短めです。この約2時間をたった7人の登場人物で過ごしてゆきます。
 そして石飛演じるスベトラーナはずっと舞台の上にいます。つまり、出ずっぱり(演劇用語:<略。だってそのままですもの>)。つまり稽古も出ずっぱりなので大変だったと思います。弟のメリックを相手に奮闘し、アランの悩みを聞き、サフロンとトビ―を抱え込み、とんでもないコスモに巻き込まれ、デレックに驚かされ、二時間を走りつづけます。本当に石飛のタフな心身に感謝しています。
 そして今回ライフデビューを果たす倉本コスモ、ハイ・テンションで突っ走っています。若手の4人も、心は若い藤原も、みんな全力疾走してます。苦しくも楽しい稽古場でした。

 「Happy Families」、本当に素敵な作品です。この素敵な作品を上演させていただけること、本当に幸せに思っています。そして同時に、やまほどのプレッシャーも感じています。
 初日の前は、「特別な時間」です。稽古の場面場面がフラッシュ・バックのように浮かんできます。あの稽古の日々が明日の舞台へ続いてゆくのだ、そう思い台本を開きます。夜の静けさの中に役者達の声が聞こえてきます・・・・・何年たっても、何度初日を経験しても、この初日の前の「特別な時間」はやってきます。でも、この「特別の時間」があるから、芝居をつづけているのかもしれません。

 それでは地下深いアトリエ・フォンテーヌでお待ちしております。


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