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※ 多少のネタバレを含みます。

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08.12.02
第四回 マルガレーテ対談

08.11.22
第三回 マルタ対談

08.11.10
第二回 タデウシュ対談

08.10.30
第一回 青年フランツ対談

第四回 マルガレーテ対談(岩崎大VS三上俊)
&インタビュア関戸 ※注  この対談は、稽古序盤に行われたものです

岩崎vs三上対談

関戸 大さんはマルガレーテをやったときは劇団に入って何年目だったんですか?

岩 98年に入って3年目か。

三上 僕は今5年目なんですけど、3年目でやったときの気持ちを聞きたかったんですよね。

岩 いや〜ドキドキでしたよ。ホントにドキドキで。

三上 そうですよね。5年でもドキドキですよ。

岩 キャラクターがお母さんって設定で。今までは少女の役はやってたけど、それが一転して年齢があがるっていうのが、大丈夫かなっていう不安はあったけど、倉田さんと面と向って「女はね」って言い合ってて、まあ一方的に言われてたんだけど、それでなんとか舞台の幕が開いて。

三上 3年目って言ったら、倉田さんの言わんとしてることもまだ理解できないんじゃないですか?

岩 そうね、なんかわかり始めてきたくらいの。でもまったく違うとかさ、まったく外れちゃったりってこともあったり。

三上 そう、今でもまだ意図もわかんなかったりするくらいだから。三上

関戸 大さんの実年齢もまだ20代前半の頃でしたよね。その時なりにマルガレーテはどういう人だと思っていたんですか。

岩 やっぱりすごくピュアな心がある人間だと思う。だから純粋ゆえにいろんなことに巻き込まれたりとか、しかも戦時中というすごく大変な世界な中で生きているっていうのが、たくましいけど純粋さも忘れてない、残ってる、っていうそういう印象があったなぁ。
あと、強くもあり弱い人っていうその印象はすごくあって。倉田さんからも「マルガレーテは強いの。強いの。」って言われてて頑張ってて、でも途中から倉田さんが「マルガレーテは弱いの、弱いから強がってる、とか弱いから何か、っていうものを見つけないと大変よ」って言われて。それがすごい印象に残ってて。

三上 それすごく言われてますね。いつも危ういところにいるから。一歩はずしたら落ちていく、っていうのを言われてて。

岩 それが戦争っていう、現代の日本に生きていると感じないこと。だからどう体験していいのか、それが血肉になるまでの時間はかかった。

関戸 マルガレーテっていろんな人といろんな意味で深く関わってるじゃないですか、よくも悪くも。この作品のテーマには「愛」というのがあって、それは偽りの愛だったり、母性愛だったり、真実の愛だったりすると思うんですけど、人を想うというかその辺の苦労や思ったことはありますか。

岩 芝居って自分の役もそうなんだけど、相手の役も愛さなければいけない、っていうことは絶対じゃない? たぶん今までの舞台で愛がない舞台はないと思うのね。その色、形が違うだけで、皆いつも愛について同じことやってると思うのね。それを究極の愛って言ってみたり、例えばロミジュリみたいに、親子愛、愛憎が表裏一体で憎しみが生まれでて、親をホントは愛してたのに、とか。この世界でいうと戦争というものに巻き込まれた人たちの切ない想いだったり、深い想いだったり、あとちょっと憎しみも入ってるところもあるだろうし。なんかね〜・・・「死の泉」の中の愛って一色じゃないから、そりゃ他の舞台でもそうなんだけど、特に逸脱した違う色の絡まりだから、すごく表現するのは難しいよね。

関戸 三上はこれからいろんな人と関わっていくけど、ここはちょっと苦戦しそうだな〜っていうのはある?

三上 今の時点では、最初の時代、自分が身ごもったところから、ミヒャエルという子供を産むんだけど、そのミヒャエルというのは、(人形を使っているから)実際は本物の子供じゃないじゃない? だけど、マルガレーテの一番の行動の起点となってるのはミヒャエルへの愛だと思うの。ミヒャエルへの愛情の注ぎ方によって、不安になり、戦争という状況のなかで、ミヒャエルの為にどこまで戦っていくのか、ていうのが大いにあると思って、そのミヒャエルへの愛っていうのが一番キーかな、と思ってて。

岩 俺、稽古中に「子供抱きに行きなさい」って言われて、知り合いの人の赤ん坊、やっと首がすわってる子を(首が座ってない子は危ないから)抱かせてもらいにいったのね。どうやってお母さんが抱くのかって、抱っこの仕方、あやし方とかをすごいチェックしてきた。

三上 やっぱりそうですか。僕もすぐに言われました。誰かに抱かせてもらいなさい、って。

岩 物理的にホントの赤ちゃんを使うわけにはいかないから、ないものにどう愛情を注ぐか。

三上 そこがすごく今不安なんです。でも行動の起点って全てそこにあるじゃないですか、母親として。母親って一生わかんないからね。自分で(お腹を)痛めた子っていう感覚。それはやっぱり難しいんだろうな〜って。 

関戸 大さんは抱きに行ってちょっと変わりました?

岩 うん、変わったね。抱き上げ方がわかんないし、赤ん坊のお人形を使ってるわけだから、すーっとやったっていいじゃん。早く抱き上げて、って言われると“わっ”てなっちゃうけど。でもね、そのお母さんが抱いてあげてるときはすごく早かったの。でも危なっかしくないの。それはどこにあるんだ、ってすごい考えたの。そしたら自分が身を預けにいってるのよ。

三上 あ〜、寄せてるわけじゃなく。

岩 (身を)預けて上げてるから、このブランクがないの。岩崎

三上 なるほど・・

岩 そういうのが芝居に出るのかな、って思って。それもすごく勉強になった。

関戸 他に聞きたいことない?

三上 一つのシーンの中で不安を出す部分と隠さなきゃいけないシーンとすごく入り混じってるじゃないですか。そのバランスの取り方が今迷ってて。

岩 心配しようとすると心配しすぎちゃって、心配しなくていいのよ、って言われると、心配しなさすぎちゃう。それは、芝居の見せ方っていうか技術の一つなんだろうけど、その前に俺が思ってるのは、話を聞きながらも赤ん坊が泣くんじゃないかとか、(初めの、赤ん坊のいるところだったら)他の人達も出てくる中での気配りのやり方っていうか目配せのやり方で、なんかちょっと変わってくるんじゃないかなって。それが女性という役には特に強い。母親っていうのは、子供が分身のようなものだから、子供の事になると強いじゃない?でもある意味では、かわいい子だから、子供の事になると脆いじゃない?
その比重は、どう偏るかっていうのはミカシュンなりのシーソーがあるから、それは自分なりのでいいと思う。ただ、そこに一ミリでも、何か気持ちがあったら、これどういう気持ちなんだろう、って分析するのをすごく丁寧にやってあげると、道が、いろいろ枝分かれしてる道が、見つかっていくのかな〜と思って。でも最後は一本の終焉に向って伸びてるものだと思うから、そこに向う為のアプローチ、じゃないけど、そこまではめちゃくちゃでもいいと思うの。こっち、こっち、っていっぱい枝分かれを見つけて、こういう気持ちってやってみて「違う」って言われたら、じゃあこっち、っていって。怒られて直して。

三上 いろんな感情が渦巻いてますからね。

関戸 マルガレーテは周りに翻弄されていく役ですが?

三上 俺、そういう役あんまりなかったからね〜。例えばトーマのエーリクとかは翻弄されるかな、と思うけど、反発したきゃしてたし、思うまま返してた。それが、隠さなきゃいけないところとかそういうの考える役ってなかったんだよなあ。

岩 でも、それは毎回のテーマになると思う。倉田さんにもよく「漂って」って言われるの、「芝居の中で生きてる人間を漂って楽しんで」って。”漂う“ってどういうことだ?って。

三上 わっかんないですよね〜。

岩 相手からもらうもの、(相手は)何を出すんだ、っていうのをすごく気にしてれば、あ〜こういうこと言われてるんだ、じゃあ(相手のこと)好きになるかも。あ、こいつやだな〜、遠ざけるかも、って思ったり。そういうことやってることだと思うんだよね。

三上 今回、マルガレーテに限っていうと、スタートの感情が大いに作用してるじゃないですか。スタートがクライマックスぐらいの、ちょっと思ってて。その入り方というか、どういう意識で臨んでいけばいいのかな?

岩 すごい集中したね。

三上 そうですよね、それしかないんでしょうけど。

岩 ホントに自分が産んだ子供、と思おうとか。あと、戦争中というすごい条件の悪い中で子供を育てなきゃいけない、という決意もそうだし、クラウスという人間と出会うということも一つの運命として、受け入れないと殺されちゃう、とか、抗おうというよりも子供!っていうような。

三上 そう、子供なんですよね〜、やっぱ。子供への愛なんですよね、最初っから。

関戸 最後に、大さんから三上に期待することを。

三上 こえ〜な。

岩 (笑) いや、もう三上は三上のマルガレーテでいろんな要素が生まれてくるんだろう、というのが第一。あとホントにマルガレーテって難しい、俺がやったときも「なんじゃこりゃ?!」っていうことが多かったのね。でもその魅力を自分に吸収出来たら、どんなに素敵なマルガレーテ像が出来るか。それを、あの役からいっぱいっぱい貰って欲しい。

関戸 では今の言葉に対する意気込みを。

三上 さっき、シーソーという言葉を聞いたけど、倉田さんの演出もあるし、求められるものっていうのがあるから。でもその中でシーソーが自分なりの傾き方を見せられたらいいな、と思います。

岩 三上なりにね!

三上 ぎゅんぎゅん揺らしていきますよ。


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