第二回 タデウシュ対談
タデウシュ対談 岩��VS高根（＆インタビュア関戸）
関戸 同期で同じ役を引き継ぐというのはなかなか無いと思うのですが？
岩�� そうだねぇ、無いねぇ。
高根 俺が大を超えちゃったら悪いなぁ(笑)
岩�� いや別に、どんどん超えてくださいよ(笑)
関戸 タデウシュという人間はどうですか？
高根 タデウシュはどっちにでも作っていいんだよね。芯は絶対に強いやつなんだけど、舞台上の出番の中で、強いタデウシュを出していって強いのか、弱さを出していって結果強いのか、そこは役者に任されているわけだから。今の俺の中ではどっちにしようかなというのはある。
岩�� どっかで抱えてるというか、一物持ってるよね。
高根 その一物っていうのも、タデウシュの持ち方ってフランクというか、戦争に左右されてない考え方だよね。戦争があったからこういう考え方になりましたっていうのではなくて、どういう状況でも、これはこうだよ、あれはああだよと考えることが出来る人間だから。しかも、「こういう人ですから」みたいな極端なベースの設定もされてなくて、それが無いぶん、ある意味戦争というものを楽に見つめていけるよね。
岩�� 髪の毛はどうするの？
高根 本当は坊主にしたいんだけど、フランツもあるからね。どうかなぁ。
関戸 大さんはタデウシュを作っていくなかで、倉田さんと考え方が全然違うみたいなことはありましたか？
岩�� そんなになかったんじゃないかな？あの時は、とりあえずやりたいようにやっていいよと。キャラクター設定も、ベースだけをしっかり持っていれば、いかようにもやれるというか。
高根 そうそう。その中でやれば、どっちに作っても全然オッケーという。珍しいと思うけどね、こういう役は。だから俺の中でまだ試行錯誤というか、今日は強くいってみようとか、今日はちょっと優しくいってみようとかがあるね。
関戸 高根さんは初演ではグラーフという男性の家政夫でしたね。
高根 (原作ではインゲという女性の家政婦だったが)なんであれが男になったか知ってるか？
関戸 いやあ、知らないっす。
高根 あれは別に女役でいいじゃん。それをなんでわざわざスタジオライフは男役を作ったか？それは俺が女役ができないからなんだよ(笑)
関戸 それは、倉田さんがやれないって判断してるんですか？
高根 それは、倉田さんが完全に判断してるんだよ。だって俺としては別にやる気じゃん。
関戸 当時フレッシュだったんですよね。
高根 そうそう。だから稽古とかで女役やってみろって言われてやるじゃん。そしたら、倉田さんが爆笑するんだよね。
岩�� 昔レッスンがあって、ジュニ３で「ガラスの動物園」をやってね。お母さんをやったんだっけ？
高根 俺は真剣にやってんだよ。なのに「気持ち悪いわ!!」って(笑)
岩�� ｢見たくないわ｣って言ってたよね。
高根 そこから一切無いからね。だから、フレッシュの最初の段階から俺は無かったんだよ。一回見て無しだったから(笑)
関戸 じゃあ高根さんが女役をやらないのは高根さんの意思ではないんですね？
高根 俺の意思じゃないんだよ。絶対倉田さんが気持ち悪いんだよ(笑)俺はやりたくないって言ったこと一度も無いからね。
関戸 そうだったんですか？
高根 そうだよ。だって｢月の子｣のときなんか酷いよ。俺と曽世さんがショナでダブルだったんだけど、人魚のサラとミラルダって役もあって、曽世さんはサラをやったんだよ。そうしたら、当然ダブルの俺もサラをやるだろうと。
関戸 と思いきや・・・
高根 無しだからね。だから曽世さんは、シングルだったんだよ！
一同 (笑)
高根 しかもサラとショナのシーンってちょっとしか間がないから、曽世さんがサラで｢あ〜あ、ティルト〜｣とか言って、速攻ぶわーって着替えて、ぶわーって着替えて、ショナで出ていって、「あ、どうも、ショナです」みたいなのをやってたんだよ。
関戸 高根さんはその時は何をやってたんですか？
高根 着替えを手伝ってた。
一同 (笑)
関戸 岩��さんは初演で｢パサジェルカ｣という作品に関わってどうでしたか？
岩�� ｢死の泉｣もそうなんだけど、戦争中の渦中という事に対しての、それでもあがいて生きる、その愛の強さっていうのは｢パサジェルカ｣というのは大きいだろうなぁっていうのは思って。それから、本当にあったことではないのかもしれないけれど、ああいうこというのがあったっていうのが認識できた事はものすごい深いなぁと、忘れちゃいけないんだろうなというのは思った。
関戸 では、同期ならではのプレッシャーだとか、メッセージを高根さんにお願いします。
岩�� 多分、研は研なりの自分の自由さを持ってるから、新しい、俺の解釈とは全然違うタデウシュだったり、世界観だったりを作ってくれると思うから、だからそれを見てみたいなと。
関戸 では、高根さん。｢パサジェルカ｣を楽しみにしている皆さんに見所とメッセージをお願いします。
高根 今回は、僕の中ではタデウシュの純愛さというものが、僕の中の｢パサジェルカ｣の全てなんですね。で、それを同期の舟見和利と一緒にやれることは僕は幸せだと思ってます。その中で、お互いを思いやる気持ちというもの、お互いの愛というもの、最近世間でも色々ありますけど、そういう気持ちををなくさないで欲しいという意味合いを込めて、僕と舟見和利の思いやり、相手を想う気持ちというものをみてもらいたいですね。
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